原貫太オフィシャルブログ

アフリカでの国際協力活動から新時代の働き方、情報発信術まで。※本ブログの内容は個人の見解によるものです。

組織のビジョンを共有(共感)するために必要な、積極的思考プロセス

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ある組織のメンバーが同じ想いを共有し、同じ方向を向くためには、組織のビジョンが何よりも大切なことは言うまでもない。例えば、私がインターンをしている認定NPO法人テラ・ルネッサンスでは、「世界平和の実現=すべての生命が安心して生活できる社会の実現」というビジョンを、職員・インターン問わず皆が共有して業務に当たっているからこそ、ひとり一人の仕事に対するモチベーションも高く維持され続ける。何を目指して今仕事をしているのかを、主体的に理解しているからだ

 

組織が存在するためには、Fundamental Philosophy、つまり組織の根幹を形作る哲学が存在する。呼び方は組織によって違うかもしれないが、多くの場合ビジョン、ミッション、バリュー(活動理念)という3つによって、このFundamental  Philosophyが作られているかと思うが、このビジョンについて、最近の議論/考えを通じて気づいたことを一つ。

 

「ビジョン」とは、実現すべき社会/世界、あるべき姿、方向性などを意味し、特にNPO(NGO)においては、「構成員が共有している、その組織が達成したい理想の社会/世界」のことを意味するだろう。つまり、ビジョンとは、組織の存在意義をも担う。

 

ただ、ビジョン、つまり自分たちが実現したい世界/社会を心の中で思い描くことはできても、それを言葉に落とし込む作業はなかなかに難しい。言葉が先行してしまい、下手すれば実際の想いと乖離しそうになる。心の声をそのまま書き出すことが、こんなにも難しいとは。

 

組織のビジョンというのは、言語化して、例えばマニュアルに落とし込むことが大切なのではなく(もちろん組織の運営という意味では言語化/マニュアル化は必要になるのだが)、同じような想いを持った仲間たちと、仕事を通じて一緒の時間を過ごし、議論を重ねていく過程でそれが共鳴を呼び、積極的な理解を深めていくことがより大切だと思う。その意味で、例え言語化してマニュアルに落とし込む際は、ガチガチに言葉で固めてしまうのではなく、コアな意味はぶらさない上で、他の人々(仲間になりそうな人々)が積極的(主体的)に考えられるだけの余地を残しておく必要があると思う。

 

ガチガチに限定されてしまったビジョンであれば、もはやそれは上から教え込まれるものになりうる。もちろん、それで「心からの」共感ができれば問題ないのだが、やはり「自分が目指したい社会/世界」を心に思い描くときは、そこに積極的な思考プロセスがなければ、それは本当の意味でのビジョンにはなり得ないと思うのだ。

 

例えば、テラ・ルネッサンスのビジョン「世界平和の実現=すべての生命が安心して生活できる社会の実現」というのは、「安心して」「生活できる」など、それぞれの言葉の定義が決まっているわけではない。同じイメージを持ちながらも、個々が積極的にビジョンの意味を考えられるだけの余地が残っているからこそ、皆が共有(共感)できるビジョンなのだと思う。

 

100年以上続いているような大きな組織であれば、組織のビジョン(やミッション)は、往々にして言語化され、そしてマニュアル化されていることが多いと思うが、それでもそのビジョンに対して、時には批判的な視点も併せ持ちつつ、積極的な思考プロセス、またそのための機会を持つべきだと考える。