原貫太オフィシャルブログ

アフリカでの国際協力活動から新時代の働き方、情報発信術まで。※本ブログの内容は個人の見解によるものです。

NPOとボランティアの違いは?現役NPO起業家が解説します!

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1998年にNPO法(特定非営利活動促進法)が誕生してもう20年近くが経とうとしていますが、未だに日本でも「NPO(での活動)=ボランティア」だと考えている人が多いですね。ふざけたこと言っちゃいけません。

 

「大学に通いながらNPOを起業している」という話をする度に、「え、NPOの活動ってボランティアですよね?これからどうやって生活していくのですか?」と質問をされます。もういい加減その都度解説するのに疲れたぞ!(笑)

 

 

この場合は、NPO(Non-Profit Organization)、つまり「非営利団体」をボランティアとして捉えてしまっているのですね。NPOとボランティアの違いについて考えましょう。

 

 

 

 

お給料が無ければNPO職員はどうやって生活していくの!?

NPO-お給料

 

そもそもNPOとは、Non Profit Organization(ノン・プロフィット・オーガニゼーション)の頭文字を取った略称で、日本語では「非営利団体」と称されます。この非営利団体という呼び方が、誤解を招く一つの原因になっています。

 

 

つまり、皆さんの中では

 

NPO

非営利団体

「営利」に「非」ず

無報酬で行う

ボランティア

お金を取るべきではない

 

という構図が出来てしまっています。

 

「非営利なんだから、お金は取らないでしょ?」と考えている人がいますが、もしNPOが全くお金を取らずに、全て"手弁当"(無報酬)で活動していたら、組織は継続していきませんよね?NPOといえども、事務所の維持費、職員の給与、交通費、現地プロジェクト費などなど、活動をする上で色々とお金は必要になってくるわけです。

 

 

お金をもらうこと自体は、営利活動ではありません。NPOの活動は「利益を生むための活動ではありませんよ」というものです。NPOのより正しい正式名称は、「Not for Profit Organization」、つまり「"営利のためではない"組織」です。これは、内閣府による「NPOホームページ」にもはっきりと記載されています。

 

「NPO」とは「Non-Profit Organization」又は「Not-for-Profit Organization」の略称で、様々な社会貢献活動を行い、団体の構成員に対し、収益を分配することを目的としない団体の総称です。

したがって、収益を目的とする事業を行うこと自体は認められますが、事業で得た収益は、様々な社会貢献活動に充てることになります。

 

 

「ボランティア」は"個人"に注目し、「NPO」は"組織"に注目した言葉

ボランティア-NPO-違い

 

「ボランティア」と「NPO」という言葉の基本的な違いは、前者が"個人"に注目し、後者が"組織"に注目するという点です。

 

ボランティアは、社会の課題解決のため、個人の自発的な意思に基づき、原則として無償でボランティア活動を行う人のことで、その特徴としては一般に「自発性(強制ではない)」、「利他性(公益を目的とし、私益を目的としない)」、「無償性(報酬を目的としない)」が挙げられます。
ボランティアが集まって活動を行う団体のことを「ボランティア団体」と言いますが、ボランティア団体もNPO(市民活動団体)に含まれます。

ボランティアもNPOも自主的、自発的に社会貢献活動を行うという点では同じですが、ボランティアは「個人」を、NPOは「組織(団体)」を指す言葉です。(千葉県HP「おしえてNPO・ボランティア」より引用)(太字強調は記事筆者による)

 

2017年11月現在、代表であるぼく含めて、コンフロントワールドのスタッフは全員が「ボランティア」です。つまり、

 

1. 「自発」的に(自分がやりたいから加わっている)

2. 「利他」的な活動を行い(アフリカの難民支援等)

3. 「無償」で(交通費などの必要経費以外は受け取っていない)

 

スタッフになっています。来年からはぼくが専従職員となってお給料をもらうようになりますが、そのことを考慮すると、それぞれのスタッフ個人に注目した上で、その人の活動形式が「ボランティア」なのか「有給」なのかが違ってきますね。それでも、組織全体に着目すれば、それはNPOの活動なのです。

 

 

ついでに、「NPO」と「株式会社」の違いって?

ボランティア-株式会社-違い

 

ボランティアというのは、「個人」に注目した言葉で、NPOというのは「団体」に注目した言葉です。

 ボランティア活動の特徴である「無報酬性」と、NPO活動の特徴である「非営利性」とをときどき混同して、「あの団体は、NPOのくせにお金を稼いでいるのはおかしい」とか、「ボランティアでやっているのだから収益事業を行わないのが当たり前」という言葉を聞くことがありますが、これは誤解です。

 非営利性というのは、団体としては、活動経費や管理費などを稼ぐけれど、そこで余ったお金(利益)を構成員で分配しない(個人の懐にいれない)で、さらなる活動に使うことを意味しています。

 一方、無報酬性は、個人が働いたことの対価としてお金(報酬)をもらわないことを意味しています。

 よって、NPOが職員を雇っている場合の給料というのも、団体の経費であって、利益の分配には当たりません。NPOにとっては、団体としてお金を稼ぎ、その団体のなかに報酬をもらう職員と、報酬をもらわないボランティアがいることはむしろ当然の姿だといえます。(NPOWEB「ボランティア活動とNPO活動は、どう違うのでしょうか。」より引用)

 

特定非営利活動促進法に基づき法人格を取得したNPOは、「特定非営利活動法人(NPO法人)」と呼ばれるようになります。ここでは法人格を持つNPOと株式会社の違いについて。

 

そもそも、NPO法人(特定非営利活動法人)の「非営利」という言葉は、「利益を出さない」という意味ではなく、「利益を配当金のような形で構成員(法律上の言葉では社員)に分配できない」という意味。だから、先ほど述べたように「"営利"のためではない(Not-for-Profit Organization)」になるのです。

 

 

一人から複数の出資者が、株主として資本を拠出して設立する株式会社の場合は株主への配当金というシステムがありますが、この「配当金を分配できるかどうか」という点が、NPO法人と株式会社との決定的な違いと言えるでしょう。

 

NPO法人は、NPO法でも定められている特定非営利活動(全20種類)に該当する活動を行うことが「主たる目的」とならなければならず、これは当該組織の最高規定である定款にも記載しなければなりません。しかし、「主たる目的」としての特定非営利活動に「支障がない限り」で行える「その他の事業」であれば、特定非営利活動に該当しないことを行っていても問題はないのです。言ってしまえば、NPOも株式会社も、実施可能な事業に大きな違いは無いのです。

 

一方で、NPOがアプローチする受益者というのは、多くの場合何らかの課題や困難を抱えています。コンフロントワールドであれば、海外事業の受益者は南スーダンの難民やウガンダの貧困層。

 

そのため、NPOではどうしても主事業からの大きな利益追求は難しく、全てのスタッフに十分な給料を払うことができないケースが多いのです。実際、日本にあるNPOの95%以上は年間収支500万円以下だとも言われています。

 

だから、引用文で指摘されているように、報酬をもらう職員と、無報酬で働くボランティアの両方によって活動が行われているのは、当然といえば当然なのです。(最後に書くように僕はNPOのスタッフがもっとお金をもらえるようにしたいと思っていますが…!)

 

 

「お金を貰ってはいけない」というのは幻想

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NPOの活動で訪れた南スーダン難民居住区にて

 

社会課題に取り組む、つまり「困っている人を助ける」活動をするNPO。「困っている人を助ける」というと、イメージされるのは"慈善"、つまり"チャリティー"かもしれません。そのイメージが、NPOに対する偏った見方を創出しているのかもしれません。

 

困っている人を助ける活動だからといって、それを行う人たちがお金を受け取ってはいけない、というのは”幻想”に過ぎません。逆に、社会課題がますます複雑化している今日、求められている活動だからこそ、もっと高額のお金を受け取っても良い。

 

この分野の活動がもっと広く認知され、「ボランティア」ではなく、より"主体的"に、そしてより"継続可能"な形で「NPO」の活動に携われる人が増えると良いですね。

 

 

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