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原貫太公式ブログ「世界まるごと解体新書」

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原体験は一つではない? 「計画的偶発性」理論から考える問題意識と価値観の変化(2/2)


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www.kantahara.com

 

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photo by Flazingo Photos

 

計画的偶発性の理論が提唱される前までは、「自分の関心、能力、適正、周囲の環境などを論理的に分析することによって、目指すべきビジョンやそこまでに至るステップアップの道筋が明確になる」と考えられていた。しかし、クランボルツ教授は、変化の著しい今日においては、あらかじめキャリアを計画し、その計画されたキャリアに拘泥することは非現実的であり、するべきではないと指摘している。

中学生・高校生の頃に受けた職業適性診断の結果と、今自分が思い描いている将来像が違っていることも、往々にして存在するだろう。(もちろんその診断の正確性にもよるが)仮に診断結果通りの人生をきっちり歩んでいたら、日々生きる中での偶然や出会い、そしてそれによってもたらされるはずの可能性を、捨ててしまうことになる。

 

一方、キャリアプラン・リーダーシップガイドの藤田聰氏は、

 

その予期しない出来事をただ待つだけでなく、自ら創り出せるように積極的に行動したり、周囲の出来事に神経を研ぎ澄ませたりして、偶然を意図的・計画的にステップアップの機会へと変えていくべきだというのが同理論の中心となる考え方です。(引用:「計画的偶発性(プランドハップンスタンス)理論とは?」All About)

 

と述べており、クランボルツ教授は、「計画的偶発性」理論を実践するために、以下5つの行動指針を挙げている。

 

(1)「好奇心」 ―― たえず新しい学習の機会を模索し続けること
(2)「持続性」 ―― 失敗に屈せず、努力し続けること
(3)「楽観性」 ―― 新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考えること
(4)「柔軟性」 ―― こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること
(5)「冒険心」 ―― 結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと引用:「計画的偶発性(プランドハップンスタンス)理論とは?」All About)

 

この計画的偶発性はキャリア論の一つではあるのだが、問題意識の積み重ねや価値観の変化、また原体験が一つではないことにも、似たことが言えるだろう。5つの行動方針の一つ目、「好奇心」を例に考えてみる。

 

私自身の問題意識の積み重ねや価値観の変化を辿ってみれば、「好奇心」があったからこそ、フィリピンのストリートチルドレン問題が最初のきっかけであったにも関わらず、好奇心に従ってその問題を研究したことで、ストリートチルドレン問題のより厳しいバングラデシュに目が向いた。さらには、「児童労働」という別の視点に目が向き、研究を重ねることで最悪の形態の児童労働としての「子ども兵」に目が向き、今の活動がある。

 

原体験は一つではない、と言ったが、長い人生を考えた時、自分の生き方や考え方(ここでは「問題意識や価値観」と言い換えられる)が、生涯ずっと同じであることはありえない。むしろ、生き方や考え方の変化(問題意識の積み重ねや価値観の変化)は、人が生きる上で最も醍醐味のあることの一つだろう。

だからこそ、「原体験」、つまり人の生き方や考えが固まる前の経験で、以後の生き方・考え方の形成に大きく影響を与える体験」は、一つではないのだ。「計画的偶発性」の視点から考えれば、その決して一つではない「原体験」ひとつ一つが、より良い人生を歩むために欠かせないものと言えよう。

 

しかし、計画的偶発性の視点から問題意識の積み重ね(や価値観の変化)を(言わば)前向きなものとして捉えていても、ただ問題意識を積み重ねていくだけでは、前に進まない(ここでは「問題意識の積み重ね」、言い換えれば「社会に腐るほど存在する問題との向き合い方」を考えるために、「価値観の変化」という言葉は置いておく)。政治コメンテーターやジャーナリストなど、幅広い知見が問われる職種であれば話は別かもしれないが、「問題解決」をプライマリー・ミッションにする国際協力や社会貢献の世界ではアクションが求められるため、「問題意識の積み重ね」との向き合い方を考えなければならない。次回は、「問題意識の積み重ねとどう向き合うか?」を考えたい。

 

 

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