原貫太公式ブログ「世界まるごと解体新書」

アジア・アフリカでの活動からニュース解説記事、ライフハックまで。原貫太が世界をまるごと解体します。

学生(国際協力)団体の「ボランティア志向から事業志向への進化」に関する一考察


スポンサーリンク



原貫太書籍『世界を無視しない大人になるために』好評発売中!プロローグをこちらで無料公開中。紙版のご購入はこちら、電子版のご購入はこちらから。

f:id:KantaHara:20170415221424p:plain

---

私は、大学2年時に学生NGO(学生国際協力団体)バングラデシュ国際協力隊を立ち上げ、約2年間代表を務めてきた。現在は認定NPO法人テラ・ルネッサンスのインターン生としてアフリカはウガンダ・ブルンジにて活動しているが、今でもある種アドバイザーとして、活動には関わり続けている。

 

今日は、学生(ボランティア)団体の一員として2年半活動に携わってきたことで感じる、「ボランティア志向から事業志向への進化」について書いてみたい。

f:id:KantaHara:20170125172740j:plain

バングラデシュ国際協力隊のミーティングの様子(photo by バングラデシュ国際協力隊)

 

超大まかに言ってしまうと、ボランティア組織の活動とは、自分たちのポケットマネーを出して活動を行うものだ。ボランティア団体の成り立ちは、強い問題意識や高い志を持つリーダーに共感する者が集まって出来るものかもしれない(バングラデシュ国際協力隊はかなり典型的なこのタイプ)が、その活動はあくまでボランティアであり、交通費など多少の経費が出る以外は、ほとんどが自腹で活動するものだと思う。少なくとも、バングラデシュ国際協力隊も、寄付や会費のシステムはあるものの、例えば現地渡航(春と夏に年二回バングラデシュ現地へ渡航して活動を行うこと)などのほとんどが実費負担だ。

 

ボランティア組織と言えども、時間が経てば経つほど活動の規模も拡がり(もしくは活動の規模を拡げたいと思うようになり)、メンバーの負担は少しずつ増えてくる。そうなると、「自発的」に始めた活動のボランティアではあるものの、時間的・資金的な苦しさなどから不満を覚えるメンバーも出るようになり、その持続可能性は危ういものになっていく。

 

この状態に直面している時、NPO法人G-net代表理事の秋元祥治氏は3つ(4つ)の選択肢、

 

1)事業型への移行を目指す
2)がんばる、とにかくがんばる(苦しいやつw)
3)ダウンサイジングして、ボランティアで楽しめる範囲にする
0)辞める

 

があると述べている(「ボランティア組織が、事業型NPOへの成長に立ちはだかる「死の谷」とはなにか、どう乗り越えるのか。」より)。

 

ここ最近のバングラデシュ国際協力隊が(2017年度のテーマとして)意識している(≒少なくとも僕が提唱している)のが、事業志向を持つこと(「経営」の感覚を持つこと)だ。活動をSustainable(持続可能)に、そしてDevelop(発展)させていくためには、「ボランティア」という志向から、「事業」という志向へと進化させる必要があると思う。

 

が、ここで一つ問題なのが、何をもって「事業」と呼ぶのか、だ。もちろん、学生団体は「会社」ではないし、はたまた法人格を持つ「NPO法人」でもない学生団体が(利益を出すための)ビジネスを行うのは、活動の趣旨からもずれてきてしまう。加えて、ひとえに「事業」と言っても、学生団体の活動内容からして、事業収入で約4000万円もの収入を得ているNPO法人クロス・フィールズなどとは全く違うものになるだろう。(参考記事→「NPO=ボランティア」ではない!NPO法人クロスフィールズにみる「事業収入型NPO」の事業モデル』

 

ということで、「事業」「事業組織」の定義や方向性はその団体なりに考える必要があり、また色々な視点から「事業がどうか」を考えられると思うが、一つ学生団体がその視点として持つべきものが、「お金の流れ」を明確化(可視化)することだと思う。「経営の視点を持ち、活動を行うこと」とも言い換えられるかもしれない。

f:id:KantaHara:20170125174225j:plain

photo by Tracy O

 

どんな活動を行う上でも、お金は必要になる。ましてや、上述したように活動規模が少しずつ拡大してきた(もしくは拡大していきたい)学生団体は、お金が必要になる。どれだけ素晴らしいビジョンやミッションを掲げていたとしても、我々が生きる資本主義社会において活動を行うためには、(嫌らしく聞こえるかもしれないが)お金が必要だ。

 

繰り返すが、「事業組織へ進化しているかどうか」を判断する一つの視点として、「お金の流れ」を明確化(可視化)することが有効だ。「どこからどれだけの収入が入ってきているのか」「どの活動にどれだけの予算が割けるのか」「実際はどの活動にどれだけお金が使用されているのか」などを可視化する。その「お金の流れ」の大枠を捉えることによって、「この活動にもっと力を注ぐべき(お金を割くべき)」「この活動はとても有意義だ」「〇〇財団からさらに△△万円貰えるようになれば、◇◇の活動も新たにできる」など、活動に対する評価や新たな活動の発想も出来る。例えば、しっかりとした収支報告書を年に一回でも発行することは、「お金の流れ」を明確化(可視化)することだろう。

 

もちろん、「お金の流れ」というのは結果論的に出てくるもので、それだけになってしまっては良くないが、「ボランティア志向から事業志向へ進化」させたり、また活動の社会的透明性を担保するためにも、「お金の流れ」を明確化(可視化)することが大切だ。

 

面白いことに、お金の流れを管理しつつ、如何にしてそれを生み出していくかを考えると、ボランティア志向で活動している時よりも、多くのアイデアが出てくるように感じる。お金は「価値」を図るための一つの指標だからこそ、如何にして活動から「価値」を産み出すかを考えることにも、繋がっていくのだ。