原貫太オフィシャルブログ

アフリカでの国際協力活動から仕事論、情報発信術まで。※本ブログの内容は個人の見解によるものです。

アフリカ・元子ども兵たち(元少年兵・元少女兵)の社会復帰―自尊心を取り戻す8期生たち

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ある日突然誘拐され、兵士として戦場に駆り出される。初めての任務として、実の家族を殺すことが強要される。少女兵の場合、性的な奴隷としても搾取される。

 

その理不尽すぎる実態から、子ども兵問題は多くの人々の心を揺さぶる。例えば、以前の記事『世界で最も残忍な反政府組織"神の抵抗軍"―「ぼくはお母さんの腕を切り落とした」』で紹介した元子ども兵チャールズ君(仮名)(当時16歳)の体験談。彼は、わずか12歳の時に誘拐され、子ども兵士になった。

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チャールズ君(photo by 認定NPO法人テラ・ルネッサンス)

 

お母さんの腕を切り落とした

"僕には家族がいて、普通に暮らしていました。ある日、お母さんが隣村まで用事で出かけました。僕はお母さんの帰りが待ち切れず、隣村に迎えに行きました。その途中で、銃を持った兵士たちに囲まれ、反政府軍の部隊に連れて行かれたのです。"

 

"数日してからでした。大人の兵士たちは、僕を村まで連れてくると、お母さんを前にしてこう命令しました。

 

 『この女を殺せ』

 

僕のお母さんを銃の先でこづきました。怖くて怖くて仕方がありませんでした。もちろん、『そんなことできない』といいました。そうすると、今度は"なた"を持たされ、『それなら、片腕を切り落とせ!そうしなければお前も、この女も殺す』"

 

"僕はお母さんが大好きでした。恐ろしくて腕がふるえ、頭の中が真っ白になりました。とにかく、お母さんも僕も命だけは助けてほしいと思いました。"

"僕は手渡された"なた"をお母さんの腕に何度も振り降ろしました。手首から下が落ちました。そのあと棒を渡され、兵士は「お母さんを殴れ」と命令しました。僕はお母さんを棒で殴りました。お母さんは気を失いましたが、命は助かりました。"

 

"僕はそのまま兵士に部隊へ連れていかれ、3年間兵士として戦っていました。"

 

元子ども兵の社会復帰支援

私がインターン生として働く認定NPO法人テラ・ルネッサンスはウガンダ北部にて、子ども時代に神の抵抗軍(Lord's Resistance Army)と呼ばれる反政府組織に誘拐され、兵士として戦わされてきた元少年兵の方や、性的な奴隷として搾取されてきた元少女兵の方の社会復帰をサポートしている。

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社会復帰支援施設にて洋裁の授業に励む元子ども兵ら(photo by 認定NPO法人テラ・ルネッサンス)

 

子ども時代に壮絶な経験をした彼ら。日本で暮らしている私たちからは、その苦しみや恐怖は想像を絶するものだが、一方で社会復帰を果たそうと、私たちテラ・ルネッサンスの施設で懸命に職業訓練や授業に臨む彼らの姿は、目を見張るものがある。

 

2015年6月から訓練を始めた8期生たちは、木工大工、洋裁、服飾デザイン、手工芸といった技術や、読み書き・算数、ビジネスの基礎知識を、1年半かけて学んできた。

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木工大工の職業訓練に励む8期生。(photo by 認定NPO法人テラ・ルネッサンス)

 

笑顔を見せ始める元子ども兵たち

そして昨年11月には、これまで訓練で学んできた各分野の実技と筆記の最終試験が行われた。彼らは、社会復帰施設に来てすぐの頃は技術や知識もなく、読み書きもできず、またお互いのことも知らなかったが、1年以上協力し合いながら訓練を乗り越えてきたことで、全員が良い成績を修めて合格することができた。

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椅子をつくる実技試験でニスを塗っている様子(photo by 認定NPO法人テラ・ルネッサンス)

 

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実技訓練で洋服をつくる訓練生(photo by 認定NPO法人テラ・ルネッサンス)

 

木工大工を学び、試験を終えた訓練生からは、次のような声も聞こえる。

 

「試験を終えて、自分自身をとても誇りに思います。ここで様々な分野の技術や知識を身につけられたと実感しました。次は、1年半行うビジネスの実地訓練の準備をして、早く新しいチャレンジを始めたいです!」

 

テラ・ルネッサンスが10年前に受け入れた元子ども兵の中には、現在は家族だけでなく、コミュニティの貧困層を支援したり、コミュニティのリーダーを務めたりしている方もいる。子ども時代に、10 年もの期間兵士として駆り出されていたことを考えると、彼らが社会に適応していく力は相当なものだ。

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(photo by 認定NPO法人テラ・ルネッサンス)

 

私は一昨日から、ウガンダに滞在している。14日には首都のカンパラを離れ、テラ・ルネッサンスが活動する北部のグルへと移動する。

 

今月19日には、彼らがこれからビジネスを本格的に始めていくための、道具の供与式が行われる。壮絶な過去を背負いながらも、一歩一歩着実に社会復帰を進めていく彼らの「笑顔」をこの目で見るのが、本当に楽しみだ。