原貫太オフィシャルブログ

アフリカでの国際協力活動から新時代の働き方、情報発信術まで。※本ブログの内容は個人の見解によるものです。

【原貫太の講演活動】大学生×国際協力 新しい教育としての「国際協力学」

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大学1年時のフィリピンから始まり、その後はバングラデシュ、ルワンダ、ウガンダ、ブルンジ...と足を運び、「ストリートチルドレン」「児童労働」「物乞い」「孤児」「スラム」「虐殺」「HIV/AIDs」「子ども兵」「紛争被害者」「難民」など、大学生という立場にも関わらず、これまで私は、社会的に弱い立場に置かれた人たちや、"世界の不条理"と数多く向かい合ってきた。

 

そして、自分が現地で見た事、聞いた事、そして感じた事を、大学生という立場を活かしながら、日本の人々、特にこれからの社会を担う同世代の若者たちに伝えるべく、国内で積極的に講演活動を行ってきた。

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世界で最も貧しい国ブルンジに滞在していた時の原

 

わたしが、大学生であるにも関わらず「伝える」活動に多く携わっている理由やそこに込めた想いについては、「「伝える」こと(ジャーナリズム)-アジア・アフリカの途上国で活動する二人の大学生が対談(1/3)」ご覧頂きたい。「伝える」ことの原動力を簡潔にまとめれば、「日本の恵まれた環境と途上国の厳しい現状との両方を知る人間だからこそ、その“絶望”すらも覚える両者の格差を繋ぐ為の最低限の行為が、『伝える』ことだと考えるから」「一人でも多く、特に同世代の人々に国際協力や世界の出来事に関心を持ってほしい」の2つに集約できるだろう。

 

これまで早稲田大学を始めとして大学生対象の講演、また中学生や高校生を対象にした講演を数多く行ってきたが、それらを通して、大学生である私だからこそ伝えられること、伝わるものがあると、実感する。今回の記事では、私の母校である私立逗子開成中学校にて、3年生280名を対象に行った講演(2016年7月)を紹介し、その想いを書きたい。

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当日の様子

 

”世界の不条理”と向き合って~後輩へのメッセージ~

今回の講演では、私がこれまで出会った3つの”世界の不条理”、ーストリートチルドレン問題、子ども兵問題、ルワンダ大虐殺ー、を紹介すると共に、「理解と自覚」「生き方」「学ぶ」をキーワードとして、講演を行った。

 

病気で両親を失い、住む場所も失い、学校にも通うことなく、毎日駅でゴミ拾いをして生計を立てているバングラデシュの7歳の男の子。

ある日突然誘拐され、最初の「任務」として、家族の殺害や手足の切断を強要されたウガンダの少年兵。

たった一夜にして、4万5千人もの人々が殺害されたルワンダ虐殺の跡地。

 

6年前までは自分たちと同じ席に座っていた先輩が、日本に暮らしている限り想像もできないような凄惨な話を語る。勉強や部活に忙しい自分たちの「あたりまえ」がある一方で、世界のどこかでは今この瞬間も貧困や紛争に苦しめられている人々がいること。教科書や学校の授業では決して触れられることの無い、「もう一つの世界のあたりまえ」が、写真と共にスクリーンに映し出される。

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ゴミ拾いで生計を立てるバングラデシュの少年。

 

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ポリオを患っているが、物乞いをさせられるレンタルチャイルド。バングラデシュ首都ダッカで撮影。

 

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アフリカの子ども兵(写真:認定NPO法人テラ・ルネッサンス)

 

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100日間で80万人が殺されたルワンダ大虐殺の跡地に設置された犠牲者の遺骨。

 

開始後すぐは微かにざわついていた会場も静まり返り、生徒たちは真剣な姿で私の話を聞いている。講演後に私のところへやってきて、本人から直接「あと30分長ければ、僕の身体は持たなかった。それほど壮絶で、心に響く内容だった」と感想を話してくれる生徒もいた。

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講演中の様子。

 

ストリートチルドレン問題、子ども兵問題、ルワンダ大虐殺という3つの”世界の不条理”を話した上で、私含めて今この会場にいる人たちが考えるべきこと、特にこれからの社会/世界を担う同じ若者だからこそ、一緒に考えたい事へと話を移す。

 

「沢山の写真を通して、ストリートチルドレン問題や子ども兵問題、ルワンダ大虐殺といった他者への理解、世界への理解を行ってきた。きっと今ここにいるみんなも、何か感じていると思う。それは、一つ目の”気づき”だ。でも、ここでもう一つの”気づき”を持ってほしい。それは、自分自身に対する”気づき”、つまり自覚なんだ。」

 

「今の君たちは、いや僕たちは、どんな環境に置かれているだろうか。どんな生活を日々送ることができているだろうか?少し立ち止まって、あたりまえに過ごしている毎日に、自覚を持ってみてほしい。」

 

「ストリートチルドレンや子ども兵、虐殺によって殺された人たちと、僕らとの間にある「格差」。この「格差」を真剣に見つめて、思考し、そして自分の心に落とし込んでみると、何かを感じないだろうか。例えば、『自分だけが幸せな生活を送れているのであれば、それでいいのだろうか?』『今見てきた問題を、”どこか遠くの世界の出来事”として終わらせてしまっていいのだろうか?』、そんな葛藤を僕は感じる。」

 

「ほとんどの人は、自分には関係ない事だと割り切り、目を背ける。だけど、目を背ける前に、もう一つ考えてほしい事がある。それは、今僕らが生きている世界は、21世紀だということ。グローバル時代における、世界と自分との”繋がり”だ。」

 

「僕らが着ている洋服は、どこで誰が作ったものだろう。僕らの携帯電話に使われているレアメタル(希少金属)は、どこから来たものだろう。そしてテレビを点ければ、インターネットを使えば、世界中の情報が僕らの手元に入ってくる。」

 

「グローバル化がますます進展し、地球がどんどん小さくなって、世界中のあらゆる出来事が繋がりを強め合う今日、「地球の裏側」で起きていることが、他人事ではなくなってきている。「地球の裏側」で生きている人々と僕らとが、どこでどのように繋がるかなんて、分からない。もう、繋がっているかもしれない。みんなそれに気づいていないだけかもしれない。」

 

「誰かの犠牲の上に、僕たちの『豊かな』生活が成り立っている。その”繋がり”に気づいたとしたら、僕らは今、どう生きていくべきだろうか。」

 

今まで私が出会ってきた人々の”声なき声”を届けられるように。彼らは、社会的に弱い立場に置かれているがために、ほとんどの場合自分の声を社会に届けることができない。だからこ、私が彼らの声を代弁できるように。そこで起きている出来事を、現場い足を運んだ人間だからこそ、伝えられるだけの役割がある。これから共に未来を創る同じ若者だからこそ、一緒に考えたい。そんな想いを胸に、45分間全力で話を行った。

 

 

講演を聞いた中学3年生の感想

「バングラデシュやウガンダの子供たちの話を聞き、自分の生活との格差を感じました。同じ人間なのに、生まれた場所が違うだけでこんなにも置かれる環境が違うのか、命の価値に差が生まれるのかと、世界には様々な不条理がある事を知りました。」

 

「世界で起きている出来事や、困っている人に対しての理解を深め、同時に自分の置かれた環境や今の生活について自覚する事が大切だと思う。また、世界に目を向け、自分に出来ることや世界で起きている問題を考えるなどの、世界と自分のつながりを捉えることが大切だと、今日の話を聞いて気づいた。」

 

「世界で理不尽な暴力や紛争が横行している事は知っていたが、やはり日本で学ぶのではなく実際に現地に行かなければ理解出来ない。聞いている時は心に響いても、1日もすれば忘れてしまう。記憶の中に残っても、心に残る事はない。行って見なければ理解出来ないと再認識した。必ず一度、この眼で見る。」

 

「まず、日常的に他者に対する『理解』と自己に対する『自覚』をすること。そうすれば、これからの進路や生き方を見つける事が出来る。そして、中学生の時期から、世界の事を見たり考えたりして、今自分が置かれた環境や立場を自覚する事。自分は屋根のある家に住み不自由なく暮らしているが、そんな人たちは世界では多くないと思う。だから、今生きている事に感謝して生きる。講演を聞いて、そう思った。だけれども、聞くより実際に体験したり見てきたりした方が、感じる事は何倍もある。だから、機会があれば作ってみたい。」

 

この世界では、誰かの犠牲の上に自分の豊かな生活が成り立っているのだと、感じました。正直、今日の話を聞いて国際協力やボランティアに参加したいとは思わなかったけれど、少なくとも世界の不条理を少しでも知り、理解した事は、これからの自分にとって決して無駄な事ではないと思う。」

 

「抽象的な感想になってしまうが、『ちゃんと生きよう』と思った(当たり前か)。自分がダラダラと生きている日常と地続きで、1日を生き延びる為に必死な子供達が沢山いる。今すぐそこに飛んでいき全員を救うなど到底無理だろうけど、そういう出来事に意識的になる事は出来る。そしてこれから社会に出た時に、そういった問題に取り組む立場につきたいと思う。将来の夢を具体的に決めなければいけないと思っていたけれど、原さんみたいな活動も夢の一部になるかなと思った。」

 

「今自分が送っている生活が当たり前ではなく、世界から見たらとても恵まれている状況だと理解した上で、そんな生活を送れている自分が今何をすべきなのか、将来自分がその問題に対して何をすべきなのか、考えさせられた。」

 

「同じ『地球』という1つの星にいるのに関わらず、生まれた国によって生きていくために必要なお金や自己犠牲、1日を生きるという大変さや命の重さがとてつもなく違った事に、凄く驚いた。"世界の不条理"として挙げられていたバングラデシュのストリートチルドレンやウガンダの子供兵の話に衝撃を受けた。」

 

「過去に起きた虐殺は取り返しがつかないけど、未来は変えられると思う。過去の罪をもう一度、同じ人間として考える必要があると感じた。これをたくさんの人に伝えることも必要だと感じた。」(別日の講演を聞いた中学1年生の感想)

 

自分が中学生・高校生の時に同じ話を聞けていたなら…

最初にも述べたが、これまで数多くの講演、特に同世代を対象にした講演を行ってきたが、「大学生である私だからこそ伝えられることが二つある」と実感をしている。

 

一つは、遠くの世界の出来事を身近に感じさせる力だ。もちろん、プロとして経験を多く積み、現地で長く活動を続ける方のお話は、大学生である私の話よりも数倍、数十倍厚みがあるかもしれない。私なんかよりも、よほど専門的な話ができるかもしれない。しかしながら、自分とほとんど年齢が変わらない人間が”世界の不条理”を語る姿は、講演を聞く若者の胸には印象強く写るようだ。「私にだって出来る事があるかもしれない」「私も考えなければならない」といった感想を、これまで沢山聞いてきた。

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ウガンダの子供たちと筆者

 

もう一つは、これからの社会/世界の未来を担う同じ若者なのだから、共に考え、共にアクションを起こそうという姿勢だ。私自身まだ発展途上であり、「国際協力のプロ」を目指すにあたって、自身のキャリアプランを模索している。自分の生きる意味、生きる使命を考えている。だからこそ、「同じ若者として共に考え、共に行動を起こそう」という他者を巻き込もうとする姿勢が、講演を聞く同じ若者の胸にも響いているように感じる。実際、私の話を聞き、大学2年時に創設した学生NGOバングラデシュ国際協力隊に加入して一緒に活動しているメンバーも複数いる。

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バングラデシュ国際協力隊の現地での活動の様子

 

先日の逗子開成中学校での講演後、私はふと思った事がある。もしも自分が中学生・高校生の時に、同じ話を聞いていたなら、と。

中学生・高校生の時から、今のように世界に目を向けていたら、その為の機会があったなら、尊敬できる先輩がいたのなら、今良い意味で違った自分がいるかもしれない。

 

私が中学生の時は、このような”世界の不条理”を語ってくれる身近な存在が居なかった。貧困や紛争というものはテレビの中の話であり、自分の生活とは無関係だと思っていた。私が国際協力の世界に本気で足を踏み入れたのは、大学1年生の時にフィリピンでぼボランティア活動に参加したことだ。それまでは、世界の貧困や紛争は、自分にとって「遠くの世界の出来事」だった。

 

この世界には、貧困・紛争・格差・環境汚染・テロなど、数え切れないほど多くの社会問題が存在する。その問題全てを「志のある者たち」だけで取り組み、改善・解決へと導くことは不可能だろう。それに、社会問題というのは社会の大きなシステムの下で生まれてしまっているものだからこそ、社会に生きる一人でも多くの人が、主体的に関わる必要があると、僕はつくづく思う。だから、国際協力や社会貢献の世界に関心を持ち、かつ具体的に行動を起こす人材や組織を増やしていく必要性がある。さもなければ、今私たちが生きている世界は、「持続可能」とは呼べないだろう。

 

「学び」とは、語句を暗記したり、数学の問題を解いたりする机上の勉強だけではない。学校教育の現場、特に感受性豊かな時期である中学生・高校生に対して、「国際協力学」「国際理解学」のようなものを提供することが出来れば、「これからの21世紀国際社会を生き抜く日本人として、私たちは何をすべきなのか」を考える、一つのきっかけになるのではないだろうか。

 

2017年には、神奈川県内の中学校で特別講座を担当させて頂く(全4回)。ご関心ある教育関係の方、ぜひ一緒に「面白い」ものを、私と共に創り上げませんか?

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講演の依頼・ご相談は kanta.hara.bicp@gmail.com までご連絡下さい。